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各国で騒動になっている超巨大な金融スキャンダルのパナマ文書について



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今、世界中のお偉い方々を中心に、大きな問題になってきている「パナマ文書」ですが、日本においてはまだまだ認知している人も少ないようで、「何それ?」って方と私自身の全体の把握のために内容を書いて見たいと思います。

 

そもそも、パナマ文書とは何よ?

パナマ文書またはパナマペーパー(英語: Panama Papers)とはパナマの法律事務所、モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)によって作成された一連の機密文書である。文書は1970年代から作成されたもので、総数は1150万件に上る。文書には株主や取締役などの情報を含む、オフショア金融センターを利用する21.4万社の企業の詳細な情報が書かれている。これらの企業の関係者には多くの有名な政治家や富裕層の人々がおり、公的組織も存在する。

パナマ文書 - Wikipedia

 

との事ですが、これだけ読んでも分からないかと思いますので、簡単にまとめると、

資産隠しによく利用されるタックスヘイブン租税回避地所得税法人税がない国)の顧客名簿が流出した」ということです。このタックスヘイブンは「富裕層等が税金逃れのために利用するケースもあるためバレたら大参事・・・」という方達の情報が満載されているようです。

 

ただし、理解しておきたいのは、タックスヘイブンを利用したオフショア取引と呼ばれる節税対策自体は、金融機関中心に必要以上の税金負担を減らすために利用されるため、決してそれ自体は悪いものではありません。(海外の取引の場合、下手すると利益以上に税金を取られるケースがあるので)。

 

しかし、今回流出したパナマ文書は、ペーパーカンパニーを設立したり、管理している法律事務所の顧客情報満載なので、これを見れば誰がタックスヘイブンに偽りの会社を作り、税金逃れをしていたかが一目瞭然てわけだす。そうなると、本来国内に流れた税金が減ってしまっているので大問題となるわけですな~。あと、節税事態は悪く無くても、政府から援助を受けたり、借金チャラにしてもらった企業のお名前が挙がると、「こっそり節税しながら、公的資金なんかを受ける行為は倫理的にどうなのよ」ってことでもあります。

 

んで、さらに言えば、日本は世界2位の55兆円もの租税回避を行っており(ちなみに1位はアメリカ)、2012年度の日本の税収45兆円を遥かに凌いでおりましたとさ。この55兆円が租税回避されていなければ消費税の増税やその他の税金すら必要なかったかもしれないという庶民には悲しいお話ですな・・・。

上記内容については、間違っているようで、 下記にて説明されておりました。内容を訂正し、お詫び致します。

日本企業タックスヘイブンであるケイマン諸島法人税率0%)へ投資した額は、直近で60兆円にものぼっている。これに対して日本法人税23.9%を課すとすると約14兆となり、消費税収をほぼカバーできる額となる~という夢のようなお話です。

まず、タックスヘイブンとは関係ないですが、法人税投資額に対して課されるのではなくて、投資して得たリターン(収益)に対して課されることになるので、そもそもの計算が違います

つぎに、日本税制では、日本親会社タックスヘイブンを含む軽課税国~無課税国に子会社をつくって投資をした場合子会社で得た利益親会社利益に乗せて課税する仕組み(外国子会社合算税制。詳しくはググれ)があるため、基本的租税回避できません。

また、確かにタックスヘイブンであるケイマン諸島パナマ会社や口座は情報の秘匿性が比較的高いといえますが、日本監査法人や税務当局バカではありませんので、仮に企業資産隠しをしようとしたら普通はバレます

パナマ文書騒動にまつわるいくつかの誤解様より抜粋

 

簡単なイラストで分かりやすくパナマ文書について書いてあるのを見つけましたので、手っ取り早く知りたい方は、下の記事を参照してちょ。

blog.esuteru.com

 

そもそもパナマ文書はなんでバレてしもうたの?

1.パナマの法律事務所タックスヘイブンの世界最大の取扱業者(世界4位?さらに上位のが漏れたら世界が終わるな・・・)である「Mossack Fonseca(モサック・フォンセカ)」の過去40年にわたる業務内容に関するデータを記録したものがハッキングされて流出した。そのデータ量は2.6TB (テラバイト)と非常に巨大!!近年のPCに搭載されているHDD数台分が、全てこういった文書で満タンと思うと、すっげーっす。

パナマ文書「国外からハッキング」で流出 法律事務所が明かす 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

 

2.南ドイツ新聞「Süddeutsche Zeitung」にタレこみがあって、パナマ文書を受け取った南ドイツ新聞がICIJ(International Consortium of Investigative Journalists:国際調査報道ジャーナリスト連合)に連絡した。それを受けて世界に向けて4月3日に一部情報報道。残りについては現在解析中

 

3.上記2の情報を受けて、世界中で大騒動  (←今ここ)

 

4.情報量が多すぎて、解析に時間がかかるので、全貌が分かりそうなのが5月初旬頃

 

解析に時間がかかる理由としましては、過去(2010年)にWikiLeaksNSA (アメリカ国家安全保障局)の文書を流出させた時にもその膨大な規模が人々の度肝を抜きましたが、パナマ文書はそのはるか上を行く規模となっています。BBCによるとWikiLeaksのデータ量「1.7GB」をサンフランシスコの人口(約80万人)に見立てると、パナマ文書のデータ量はインド全体の人口(約12億人)に相当する規模となっており、その差は実におよそ1500倍というとてつもない量となっています。そのためめっちゃ時間が必要なんですな~

 

パナマ文書で名前を晒されてしまった世界の有名な方々

もうね、各国の首脳から始まり、有名な皆様がわんさかわんさか。下記に一例であげますと、

習近平国家主席の近親者(中国)
李鵬元首相の近親者(中国)
キャメロン首相(イギリス)
サルマン国王(サウジアラビア
アサド首相(シリア)
グンロイグソン首相(アイスランド
ナジブ首相(マレーシア)
ジャッキー・チェン(香港・映画俳優)
メッシ(アルゼンチン・サッカー選手)
ミシェル・プラティニ欧州サッカー連盟元会長)他

著名人巻き込む「パナマ文書」の衝撃、各国政府が調査開始 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 

 さらには、欧州の銀行も絡んでいる可能性もあるようです。

「パナマ文書」の影響拡大、欧州当局が域内銀行の関連調査 | ロイター

 

世界の有名人が総出演ってな感じでパナマ文書に名前が挙がっています。腐敗撲滅運動している張本人の習近平国家主席が、家族名義とはいえ名前が出ているのは、「あ~あ、やっぱりな・・・」てなもんですな。

で、すでにパナマ文書の発覚を受けて、アイスランドではグンロイグソン首相が辞任する事態にまで発展。アイスランドは、リーマンショックで経済破綻を起こしており、そのため、各国からの借金を踏み倒しております。そんな状況の国のトップが、実は海外に金を隠してコソコソやってたとなったのなら、そらヤバかろうて・・・。

アイスランド首相が辞任、「パナマ文書」の資産隠し疑惑で | ロイター

 

ちなみに今回の流出劇の法律事務所モサック・フォンセカを利用して、各国でどのくらいの人たちがタックス・ヘイブンを利用していたのかについては、以下のリンクから世界のマップで内容を見れるので興味のある方はどうぞ。

https://briankilmartin.cartodb.com/viz/54ddb5c0-f80e-11e5-9a9c-0e5db1731f59/public_map

 

 

日本にもいるようですね・・・

そして、日本でもわんさかと入っております。先ほどの世界のマップで見ると、日本では24の法人、10の顧客、45の受益者、360の株主の名前が挙がっているそうです。

今時点で、まとめサイトTwitterなんかに出回っている日本の企業名は、あくまでも国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が過去に情報をリークしたデータ「オフショア・リークス」に名前が出ている企業名や個人名のようです。よってそのままパナマ文書に記載の名前とはなりません(現時点では)まとめサイトTwitterなんかには、そのまま注意書きも何にも無く、いかにもパナマ文書に記載されたみたいに書かれているので、誤解されるがな・・・。セコムの創業者の相続税や贈与税の回避行動はパナマ文書に載っているようですのでOUT・・・。日本の企業名とかは5月まで待つ形ですな。

東京新聞:タックスヘイブンで巨額取引横行 プーチン氏周辺2200億円:社会(TOKYO Web)

 

パナマ文書を受けての各国の動き

これについては、以下のサイトでまとめてくれておりましたので、簡単に記載したいと思います。

enter101.hatenablog.com

 

世界の国々ではパナマ文書を受けて、調査をスタートし、各メディアでも大々的にニュースで報じております。さらにはOECD経済協力開発機構)も動き出すぞとね

OECD、パナマ文書で13日緊急会合 税逃れ対策協議 :日本経済新聞

 

でも、日本政府や日本の報道機関は、若干後ろ向きのようですな(※)。でも、現在のようなソーシャル全盛時に報道しなくとも自ずと判明するでしょうし、5月の初旬には解析結果とともにいろいろ出てくるでしょうから、時間の問題でしょう。

「パナマ文書」をめぐり日本政府が調査しない方針を明らかに - ライブドアニュース

 

※上記の「日本政府や日本の報道機関は、若干後ろ向き」についても、若干意味合いが違いました。

確かに、日本政府パナマ文書について「日本企業への影響を考慮して」調査しないこと(実際には「コメントを控える」こと)を発表しました。しかしながら、これが批判されるべきことかと言えば、少々事情が異なるのかと思います

かりにパナマ文書記載日本企業リストアップされたらどうなるでしょう。租税逃れだ!」と方々から批判を受けるのではないでしょうか。実際には上記の通りほとんどの企業親会社で相応の税負担をしているにもかかわらず、です。

さらに、この<調査しない宣言>を横展開させて「日本タックスヘイブンを野放しにしているんだ!アベ死ね!」と考えるのは畢竟お花畑思考です。皆さんはマイナンバー制度というのをご存じでしょうか。そう、今年から始まったアレです。これがなんのために始められた制度か知っていますか?OL副業水商売しているのを暴いてニヤニヤするためですか?色々な目的はありますが、その中のひとつに超富裕層租税回避対策があります近いうちに銀行口座マイナンバーの紐づけがなされ、税務当局は個人の所得を把握しやすくなります。また、このマイナンバー制度と並行して、日本世界各国と金融口座に関する情報交換協定を結んでいます。この協定の参加国にはケイマン等のタックスヘイブン国も含まれており、富裕層課税逃れはさらに難しくなっていきます

パナマ文書騒動にまつわるいくつかの誤解様より抜粋

「後ろ向き」では無くて、「日本の企業は、租税回避が難しいので、日本企業の風評被害を抑える目的で調査を現段階で行わない」としていたようです 。

 

まとめ

5月初旬には全ての個人及び企業のリストが公開される予定となっています。どんな結末になるのか分かりませんが、世界を揺るがす大スキャンダルとなる可能性があります。日本の大物政治家の名前があると、日本も政治問題化や経済問題化するかもしれないね~。

5月の日本開催のサミットでも安倍首相が議題にするって言ってるようだし、なかなかにヤバい案件ですよね。