kumityouの単身赴任ブログ

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投票の1票のもたらす影響の大きさよ・・・



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さあ、市場の大方の予想に反して、イギリスがEUから離脱するという意志を、国民総出の多数決で可決されました。

 

それに伴い、世界市場での大混乱。株などの投資の世界に身を置いていない状況で普段生活している人にとって「イギリスがEUから抜けるの。ふーん」ってぐらいの認識かもしれませんが、我々は今、教科書に載る世界の歴史的出来事の真っただ中におります。

 

世界の人口は70億人と言われております。その70億人の人々に直接的・間接的に影響を与える投票が、世界の人口の1/200程度の3300万人の人々の多数決によって決まりました。

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そもそもEUは、goo国語辞書によると下記の内容の元に発足しております。

《European Union》EC(欧州共同体)を基礎に、外交・安全保障政策の共通化と通貨統合の実現を目的とする統合体。 1993年11月、マーストリヒト条約欧州連合条約)の発効により創設。 域内の多くの国では、出入国や税関の審査が廃止されており、人や物が自由に移動できる。 また、単一通貨ユーロが導入されている 

またEUの前身であるECが、第2次世界大戦のあとにもう2度とヨーロッパで戦争をしないように、そして経済力を高めてきたアメリカや日本に対抗をするためにという理由から設立されました。 

 

 

さらにEUが誕生してから下記の内容が行われてきました。

EU1.貨幣がEU圏共通のユーロに統一

貨幣を統一することで国がかわるごとに両替をしなくてすむようになりました。しかしイギリスやスウェーデンのようにEUには参加しているのにユーロを採用していない国もあります。


EU2.加盟国間の関税が撤廃

輸出輸入するときに、その製品に税金をかけるというのがそれまでのやり方でしたが、この税金を撤廃しました。これによってEU間の国で貿易がやりやすくなりました。

 

EU3.パスポート不要

EUに加盟している国を行き来するのにパスポートが不要になりました。
これによって隣の国から出勤、通学をするなんて光景も増えています。

 

 

これらEUの意義を知ったうえで、今回イギリスは離脱を正式に投票で決めました。私自身としては、日本人としての立場から離脱には反対でしたが、実際にイギリスの国民として当時者にならなければ、彼らの気持ちはわかりませんので、今回の決定を非難するつもりはありません。結局人は、当事者にならなければ、その人の気持ちは分からないもんですし。

 

 

それを踏まえて繰り返しますが、我々は今、教科書に載る歴史的出来事の真っただ中におります。EUは今後、求心力を失い、世界に向けて不安の種をまきます。さらにはイギリスが世界の金融マーケットの重要なエリアの一つでもあり、EU離脱によってその立場を失うリスクも抱えております。現状、世界の投資市場は大荒れです。「相場は実態経済の半年先を行く」と言われているぐらいですので、我々の普段の生活にも多大な影響が及びます。

 

 

簡単なところで、

1.円高による輸出企業の停滞。それによって引きおこる就労難、賃金、物価問題。

今回の投票結果の発表で一時あっさりと1ドル=100円を突破しました。今は少し戻しましたが、今後も円高進行が起こる可能性が高いです。そうすると急激な円高進行で日本の物価下落圧力も強まり、再び物価が下落しデフレに突入。デフレに突入すれば労働環境も当然のごとく悪くなります。

 

 

2.多くの日本企業が経営方針の転換を迫られ、雇用などへの問題に発展

自動車や金融を中心に1000社を超える日本企業が進出し、ヨーロッパ市場の統括拠点として位置付けています。日立やトヨタ自動車日産自動車サントリーホールディングスなどが工場を構え、「日立は英国がEUの一員であるという前提で英国に鉄道車両工場を建設した」と日立製作所の東原敏昭社長が言っているぐらいです。さらに離脱については「絶対反対の立場だ」と強い口調で語っていたほどです。

 

3.紛争などへのリスクの増加

上記EUの前身のECが誕生した目的の一つが、「戦争をしないようにするため」というのがあります。それは、戦争のきっかけの一つである、資源の奪い合いによって発生するリスクを無くそうという事からきております。今回、イギリスの離脱によって、周辺のEU加盟国でも離脱が相次げば、この目的が意味を持たなくなってしまうリスクがあります。

 

 

今回の投票は、世界に多大な影響を与える投票でした。投票には下手をするとそれだけの効果を発揮するという意味があるという事を改めて認識させられました。今後の世界の情勢がどうなるのか不安ですが、目先の話として今年日本でも18歳以上の人に選挙権が与えられました。ここまでの世界規模の影響はないかもしれませんが、投票にはそれだけの価値があると認識して、私も含めて次の選挙には挑みたいものです。