トランプ大統領は、メキシコとの国境に壁を本気で作るのかよ・・・
スポンサーリンク
1月26日付けのニュースで、トランプアメリカ大統領がメキシコの不法移民を国外追放し、かつ不法移民を入れないためにメキシコとの国境に壁を建設するという大統領令に正式に署名したことが発表されました。
いくら公約に掲げていたとはいえ、本当にやるとは・・・まあ、犯罪者や犯罪歴のある不法移民に限ってみたとしてもその数は300万人超えるとか言われてるみたいです(不法移民総数では1100万人に上ると言われてる)。でも安い労働力としてアメリカ経済の発展に貢献してきたのも事実なんやし、アメリカが不法移民を黙認してきた側面もあるのに、それでアメリカ経済も回らんくなるかもしれんのにええんかな?とも思うが難しいとこよな・・・。
(実際に日本でも若者は昔言われてた3Kには就業したくない側面あって、日本の企業も困ってる。しゃーないから海外で嫌な仕事もやってくれる安い賃金の人を雇う流れもあって困ったなぁってのもあるし・・・)
ま、それはさておき、やると言っても無料でできる訳も無く、国家プロジェクト規模の莫大な費用が発生します。それを捻出するために、トランプ大統領はメキシコ金出せとおっしゃっており、払わないならメキシコの商品に関税を20%かけるとおっしゃっておいでです。
壁建設費は「対メキシコ関税20%で捻出」 米大統領報道官 (AFP=時事) - Yahoo!ニュース
もう無茶苦茶です・・・以下にいろいろと問題点などを列記したいと思います。
NAFTAの見直しによる問題
アメリカ、カナダ、メキシコの3か国が参加するNAFTA(北米自由貿易協定)があります。NAFTAは1994年に発効し、2008年までに3か国の間ではすべての物品の関税が撤廃されました。んで、今回のメキシコに対する「関税20%かけんぞ!」の脅しをするためには当然アメリカは再交渉、最悪離脱することになります。(ちなみに離脱はアメリカの判断のみで可能!!ひぇっ)
んで、このNAFTAをやってきた事によって、企業は賃金が安いメキシコで生産を行ってアメリカに製品を輸出するという事を行っております。そういったことで国境を越えた経済活動が活発になっていることもあり、メキシコからのアメリカ向け輸出が8割を超える依存度の高さ!!であります。
当然日本からも自動車メーカーを中心にメキシコへの企業進出がわんさかあります。日本の大手自動車メーカー6社もメキシコに生産工場を持っております。トランプ氏にツイッターで批判されたトヨタ自動車は、メキシコで生産した車をアメリカ向けに90%を超えて輸出しています。そらトヨタもトランプ大統領就任前のTwitter「メキシコで生産したものは関税かけんぞ!」の言葉に対して対アメリカへ投資をするって発表するわ・・・
でも、NAFTAから脱退したあとも、アメリカはWTO(世界貿易機関)に加盟しているので、WTOで約束した以上の関税をかけることはできないので、それを強引にでもやってまうとWTO協定違反となってしまいます。それをやりそうな恐ろしい子のトランプ君でありますが・・・。
WTO離脱とかも平然と言ってくれそうで、ほんとに怖いわ・・・
アメリカの輸出入の割合から見た問題
日本貿易振興機構(JETRO:ジェトロ)によると、2014年のアメリカの輸出入先の上位は次の通りになります。
輸出先比率:カナダ19.3%(3124億ドル) メキシコ14.3%(2402億ドル) 中国7.6%(1236億ドル)
輸入先比率:カナダ14.8%(3478億ドル) メキシコ12.5%(2940億ドル) 中国19.9%(4667億ドル)
輸出統計(国・地域別) | 米国 - 北米 - 国・地域別に見る - ジェトロ
https://www.jetro.go.jp/world/n_america/us/stat_04.html
ちなみにアメリカから見た場合の日本の割合は、輸出4.1%(668億ドル) 輸入5.7%(1340億ドル)です。対日本においても、これを見れば貿易赤字(輸出ー輸入がマイナス)です。メキシコに対してこれだけ強硬するトランプ政権。対岸の火事ではすまんがな・・・対中なんて特にひどい。もし対中にも手をつけたら、日本に旅行で訪れている中国人の財布にも直撃しかねん・・・。
それはさておき、もしメキシコからの輸入品に関税を20%かけた場合、当然メキシコも報復しますわな・・・。そうなるとアメリカのメキシコに占める輸出の割合14.3%分の経済打撃をアメリカ自身も受けます・・・メキシコ向けの輸出関連企業は悲惨・・・。
さらには、こんだけメキシコから輸入してたら、アメリカ国民も困ります・・・アメリカがメキシコ製品に関税をかけると、メキシコ製品を必要とするアメリカ人が負担する事になるんやし(関税を負担するのは、輸出する側ではなく輸入する側です)・・・
例:日本において海外の輸入品を取扱う店の商品は、海外で直接自分で買うよりも高くなります。それにはその輸入した店の利益以外にも関税も上乗せされているためです。結果、商品が欲しい場合は、結局欲しい人がその関税分も負担する事になりますので、上の場合では、アメリカ国民が困った事にもなりかねないという事ですな
アメリカ・メキシコ関係が急速に冷え冷え・・・
ちなみに、こんな事をやりながらTwitterで「もしメキシコが国境沿いの壁の建設費用を支払わないなら、首脳会談を中止したほうがいい」とのたまうトランプ大統領。こんな事を一方的に言われたメキシコも激おこです。そらそうやわな。普通は会談を行った上での話の末に「どうする?」って話なのに、こんな勝手に言われたら、メキシコのペニャニエト大統領も「予定の会談取りやめっ!」って言うわ・・・。一気に関係悪化や・・・。
これを受けてホワイトハウスのスパイサー報道官「われわれは将来、再び日程を探すつもりだ。対話はオープンだ」って発言や、野党・民主党責任者のカーディン議員の声明「トランプ大統領は就任から1週間足らずで、極めて重要な外交関係の1つに深刻なダメージをもたらしている」って発言を見てると、周囲も「これマジやっべ」という感じなのがホントに、もう、ね・・・
トランプ大統領 壁の建設費でメキシコの輸入品に課税へ | NHKニュース
まじでどうすんのやろ・・・。アメリカって経済大国のトップの発言や行動って事に、ただただ恐怖しかありません・・・。
追記
コリマ山が大噴火=メキシコhttps://t.co/gU98AixSJhpic.twitter.com/JXi4bYG5Nz
— 岡三マン (@okasanman) 2017年1月27日
メキシコがトランプ大統領のツイートに反応し、激おこのようです